STORY

未来都市ピクセルの消滅■

25世紀――。

極限まで発達した情報化社会とグローバリズムによって世界は国家という概念すら失い、現実世界と仮想世界を網羅する巨大コミュニティ『ピクセル』が形成され、人類はもれなくその管理下となった。


最先端技術によるコミュニティシステムで緻密に管理されていた筈の秩序。

しかしそれは突如発生した通称『デリート』と呼ばれるコンピュータウイルスによって引き起こされた、重大なシステムエラーによって綻び始める。

デリートは僅か数週の内にピクセル全域を混沌に至らしめ、次々に停止・抹消されていくシステムの前に人々は慌てふためき、都市機構は瞬く間に崩壊へと向かった。


天才科学者『冥守みくろ』は自らの叡智によりデリートの浸食を阻もうとするも、逆に体内のICチップをデリートウイルスに汚染されてしまい、その影響でほとんどの記憶を喪ってしまう。

最新式超高性能AI搭載人型アンドロイド『智田にうむ』はピクセルの終焉を悟り、自身の開発者かつ“親友”でもあるみくろが試作していたタイムマシンに2人で乗り込む。

そして機内に数十ある無数のボタンを闇雲に押し、ゆっくりとレバーを引いた。


おもむろに稼働したタイムマシンは、滅びゆく故郷を眼下に四次元空間に突入し、間一髪2人は難を逃れるが、試作段階であった機体は徐々に損傷。制御能力を失っていき…。